私事だけど、今年仕事でマネージャーに昇格した。
労働時間増加もさることながら、成果に対するプレッシャーが辛く、仕事の失敗のことを想像してよく眠れない日も出てきた。そんな時、以前読んだ自己啓発の名著「道は開ける」にあったウィリス・H・キャリアの魔術的公式のことを思い出して少し気分がマシになったので、ここで紹介したい。
ウィリス・H・キャリアはニューヨークのエンジニアで、当時何百万ドルもの規模のガス浄化装置の開発案件を手掛けていた。しかし、開発がうまくいかず、眠れぬ夜が続いたそうだ。しかし、いつまでもクヨクヨ悩んだわけではなく、下に示す3つの方法”魔術的公式”を考え出し、結果開発を成功させることができたそうだ。
ジェームズ・H・キャリアの魔術的公式
この公式は三つの段階から成り立つ。
- 第一。まず状況を大胆率直に分析し、その失敗の結果起こり得る最悪の事態を予測すること。(中略)
- 第二。起こり得る最悪の事態を予測したら、やむを得ない場合にはその結果に従う覚悟をすること。(中略)
- 第三。これを転機として、最悪の事態を少しでも好転させるように冷静に自分の時間とエネルギーを集中させること。
出典:「道は開ける 新装版」D・カーネギー、香山晶訳 (創元社:1999)
自分のケースで言うと、仕事で失敗しても命が取られるわけではない。会社での評価が下がるかもしれないが、クビにはならないだろう。家族や親しい友人との関係にも影響はないだろう(むしろ励ましてもらえるだろう)。だったら、そのくらいは受け入れて、クヨクヨ思い悩むのではなくて、仕事を成功させるように、前向きにエネルギーを使いましょう、と言うこと。
書いてみると大したことがないように思える。ただ、この公式が頭に入っていることで、自分が思い悩んでいる状態に陥った時に、自分で気づきやすくなる効果があると思う。メタ認知できるのだ。実際、自分も最初は思い悩んでいたが、ある時ふとこの公式を思い出すことで、少し気分を落ち着けることができた。
「道は開ける」には、このような事例がたくさん載っていて、悩みに苦しんで来る人にとっては非常にお勧めです。